先月、昨年７月からスタートしたスタッフ数30名の鍼灸整骨院さんの
クレド（理念）策定プロジェクトが完了しました。
思い返せば昨年のGW前、創業者である40代の会長と30代の社長から
「スタッフ"共通の価値基準"を整えることで適切な判断ができる組織をつくりたい」
「会社の目指すべき姿を店舗内に浸透させることで、スタッフの意識や行動を変えたい」
「顧客の認知度や理解度を向上させて、新たな市場の開拓や採用戦略に活用したい」
そのためには、スタッフが仕事を自分ごとと捉え、自ら行動を起こす源泉となる、
そこには行動の判断基準となる理念（クレド）が不可欠で、
最優先でそれを整える必要がある、との想いでこのプロジェクトは始まりました。
まずは猛暑の8月に全てのスタッフと約1時間の面談を行いました。
面談を行う理由は、経営者（会長と社長）と従業員の考えていることや
価値観のギャップを埋めていくためです。
この面談では毎回いろんなドラマがあります。
例えば、社長との行き違いで退職を考えていた院長候補が、面談で社長の想いを伝えると
涙を流しながら「ここで院長を目指します」と考えが変わり、その後のプロジェクトでも
積極的に発言してくれたり協力をしてくれたこと
（社長曰く、そのスタッフはその後仕事に取り組む姿勢が大きく変わったとのことでした）
また、「私はここで何も役に立てていない」と思い込み、自己肯定感が低かった女性スタッフが
「院長がそこまで私のことを思ってくれているとは・・・」と泣きながら院長に感謝され、
その後は今まで以上に素敵な笑顔で仕事にもプロジェクトにも協力してくれたこと
さらに、今までの会社のやり方に不満を持たれ「研修に参加したくない」と突っ張っていた
店舗の稼ぎ頭の女性スタッフが、研修が始まると毎回研修会場に一番乗りで入られて、
プロジェクト進行に効果的な意見をたくさん出してくれていたことなど、
ここでは書き切れないほどの嬉しい変化やできごとがありました。
そうやってスタッフとの信頼関係を深めつつ、同時に経営者とミッションの言語化を行い、
３か月目には４人の経営幹部も加わりビジョンの言語化を行いました。
会長と社長とのミッションの合意形成はまだしも、さすがに6人になると合意形成に時間がかかりましたが、
その時間がビジョンをより浸透させてくれますし、幹部の結束力にも繋がったと経営者の言葉も頂きました。
そして、5か月目のバリュー説明会では、
スタッフ全員から提出してもらったバリュー案（約300案）を私が全て読み込み、
スタッフ別とカテゴリー別の一覧表を作り、言葉をグルーピングして経営者と一緒にバリュー案を作ります。
（ここだけで10時間ほど費やしました(^^;））
ここで重要なのが、「経営者が言いたいことを従業員の言葉を使って作る」こと、
そして、「全てのスタッフ」の大切にしている言葉（価値観）を紡ぐことで、
全員がバリューのどこかに関与しているようにすることです。
そして、6か月目は経営者で紡いだバリュー案（この会社は18個）をスタッフ全員でディスカッションしながら
"自分たちが現場で実践しやすい言葉"に置き換えて頂きながら完成に持っていってもらいます。
（バリュー完成ミーティング）
実はこのディスカッションの場、策定の場で浸透がどんどん進んで行きます。
そして、バリュー完成ミーティングは1回で終わることはまずなく、
結局、こちらの会社も4回（うち2回は幹部だけで進行）繰り返して完成にいたりました。
ただ、大切なのはここからです。
理念は浸透・実践されてこそ意味があり、理念を作るだけでは逆に組織の士気が下がってしまいます。
なぜかというと"期待を上げてから下げる"ことになるからです。
だからこそ、私は浸透・実践の段階で変化が見えるまで伴走をさせて頂くのですが、
今回は自分達で浸透・実践を進められるということでしたので、一旦終了となりました。
ただ、理念策定が終わってすぐ２人の幹部から下記のメッセージが送られてきました。
以下抜粋
１人目：「長期にわたり理念策定プロジェクトを引張っていただき、ありがとうございました。
水野様が仰る通り、今回共に作らせていただいた理念を全てのスタッフに浸透させてより良い会社を目指していきます。
このような機会が初めてで右も左もわからない私たちにとって、とても勉強になりました。本当にありがとうございました」
２人目：「水野様とお会いさせていただいてご指導いただき、会社や部下への考え方が大きく変わり、
成長させていただきました。これからしっかりとバリューを浸透させて成果をあげていきたいと思います。
そのためにもさらに自分が成長し、会社、部下を引張っていける存在になります。ありがとうございました」
この意気込みなら理念を浸透していきながら、マネジメント力も強化されていくと思います！
今後は、経営者・経営幹部を中心に浸透・実践のプロセスをしっかりと進めていただき、
"成果を継続的に生み出し続ける"組織文化を定着させていただきたいと思っています。
引き続き、全力で応援いたしております！！
